害鳥という言葉を聞いたことがあると思います。カラスなどの「ゴミを散らかす」といった直接的な被害がなくても、集団で生活しているだけで人間の生活に害を与えてしまう鳥もいるのです。平和のシンボルとしても親しまれているハトや、古くは害虫を食べてくれるため農家の味方と言われたムクドリなども、現在では場所によってはやはり害鳥に区分されてしまうこともあるのです。しかも、これらの鳥類は、全て鳥獣保護法で保護されているため、一般人が勝手に駆除した場合、処罰されることもありえます。そこで、今回はこれらの害鳥を近寄らせないための対策をご紹介します。
駆除より予防
前述の通り、日本国内に生息する鳥獣類はスズメからイノシシに至るまで鳥獣保護法により守られていて、一般人は勝手に駆除することができません。例外として認められているのは、ドブネズミやクマネズミなど環境衛生に重大な支障を及ぼす恐れがある動物だけです。したがって、もし、自分の家に巣を作られたりした場合、業者に駆除を依頼せざるおえない可能性が高いのです。いらぬ出費を避けるためにも、まず害鳥が寄り付かないよう対策を施しておきましょう。
【ハト】
<習性>
この場合、対象になるのはドバト呼ばれる種類のもので、野山に生息するキジバトは対象になりません。もともとハト達は集団で生息しますが、帰巣本能が強く、一度自分のテリトリーと決めてしまうと、ちょっとやそっとでは離れません。かつて日本中で大ブームを起こしたレース鳩も、この帰巣本能を利用してのもので、1000km以上の距離をやすやすと帰ってきてしまう能力は恐るべきものです。したがって、何よりも近づけさせないための対策が必要になります。
<対策>
ドバトは、人間生活に順応しています。営巣も自然木よりもベランダや軒を利用することが多いのが特徴です。とくにマンションやアパート、戸建てでも2階部分のベランダには注意が必要です。
①ニコチン水
タバコの吸殻を10本程度、フィルターと紙の部分を取り除いて500ml程度の水に一晩付けておきます。水が茶色く変色していればできあがりです。ベランダなどハトが来る場所にまいておくと予防になります。ハト以外にもムカデやナメクジなどの害虫予防にもなりますが、毒性が強いのでペットを飼っている家では十分な注意が必要です。
②おもちゃの蛇
100円均一などに売っているおもちゃの蛇が意外と効果があるようです。蛇はハトの卵やヒナにとって天敵になるために本能で営巣には向かないと思うのでしょう。しかし、ハトは賢い鳥ですから偽物だと見破られないように、こまめに場所を変えるとか、動くように工夫するなどした方が効果的です。
③釣り糸
ベランダの手すりの上、10cmほどの高さに釣り糸張り渡します。1同じく100円均一などで売っている接着タイプのフックを利用するといいでしょう。止まれない事がわかるとハトは寄って来ません。しかし、手すり以外に物干し竿や、エアコンの室外機など、他に止まれる場所がある場合は、そちらにも対策が必要です。
<やらない方がいい対策>
●磁石
ハトが帰巣するのは磁場を利用しているという説が一般的なため、その磁場を狂わせる対策として強力な磁石を設置すると効果があるといわれています。しかし、実際にはハトは磁石があっても飛べますから効果の程は不確かです。磁力の強いネオジウム磁石などは安くはありませんので、よく考えてから実行した方がいいでしょう。
●CDなどの光るもの
ハトが光るものに驚くのは最初だけで、すぐに効果はなくなります。むしろ、反射光によって近隣住民とのいざこざが起きることも考えられるので、あまりおすすめできません。
【ムクドリ】
<習性>
ムクドリは根城となる決まった樹木を決めており、日が落ちるとそこに帰って休みます。1000羽以上の巨大なコロニーを形成することもあるので、糞害などはかなりのものがあります。また、夕方から夜間の間、根城の中でひたすら鳴き続けるため騒音も問題になってしまいます。ムクドリが根城と決めるのは枝がたくさん張り出した巨木で、里山などにたくさんあったのでしょうが、現在では街路樹や神社の神木、戸建ての庭木などに限定されてしまいます。ムクドリは寝付くまでの間、根城の側の電線などで一列に並んで鳴くこともあり、近隣住民への迷惑になってしまうこともあります。
<対策>
ムクドリが人工物を根城にすることはまれで、ほとんどが樹木を選んでそこで休みます。したがって、戸建てで庭があり、大きめの樹木がある家は注意が必要ということになります。
●ネット
ムクドリが止まりそうな庭木をネットで覆ってしまいます。ムクドリがあらわれるのは3月から7月ですから、その間だけでも樹木を覆ってしまいましょう。網目が菱型の園芸用のものは鳥の脚に絡まることもあるので、ピーコンネットを使うと安全です。
●デコイ
ハトに対するヘビと同じように、ムクドリの天敵である鷹の模型を設置して寄せ付けないようにします。ただし、カカシなどと同じでムクドリが慣れてしまうこともあり、その場合は別の対策が必要になります。
<やらない方がいい対策>
●電飾
LEDなどによる電飾を樹木に設置し、ムクドリを追い払う方法です。昨年辺りから自治体などで導入され、現在、試験中ということで効果の程も分かっていません。電気代もメンテナンスも必要ですから、もうしばらく様子を見たほうがいいでしょう。
●ロケット花火
ムクドリが集まっている木にロケット花火などを打ち込んで、驚かせて退散させるという方法です。かつて実際に行われていたこともあったのですが、周辺住民への影響や、ムクドリの殺傷効果などもありますから特に注意が必要になります。
【カラス】
<習性>
非常に知能が高いことが知られています。鳥類の中では、道具を使って「遊ぶ」という行為をする数少ない種で、その他にも走行中の自動車にひかせて木の実を割ったりすることが報告されています。
<対策>
カラスはもっぱら餌を漁るために人間の生活テリトリーに侵入してきます。ゴミを散らけたりする被害は都会ほど多くなっているのが現状です。現在は、集合住宅、戸建てともゴミの集積所が指定されています。ルールを守ってゴミを捨てることが一番の対策になります。
●植木鉢をおかない
カラスはハトのように、ベランダで営巣することはまれです。カラスがベランダなどに来るのは餌をあさりに来るか、取った獲物を植木鉢のすみなどに隠しにくるためです。そのため、ベランダは常にものがあまりない清潔な状況を保っておくことが必要です。
●黒いビニール袋
一種のデコイですが、これはカラスの死骸に似せています。カラスに一番忌避効果のあるものはカラス自身の死体だそうで、黒いビニール袋を死体と見間違えてしまうそうです。しかし、賢いカラスのことですから見破られないような工夫が必要です。
<やらない方がいい対策>
●ニオイを主成分とした忌避剤
カラスの嗅覚はほとんどないと言うのが一般的な意見です。カラスにかぎらず鳥類はその視覚によって獲物を見つけ出します。カラスの嫌うニオイというのは実はよく分かっていません。
●レーザーポインター
人間よりも可視域が広いカラスはレーザー光線を嫌がります。とくに緑色のレーザー光線には過敏に反応することが分かっています。しかし、屋外でのレーザーポインターの使用には細心の注意が必要で、トラブルになる可能性もないとは言い切れません。あまりおすすめできる方法ではありません。
まとめ
いかがでしたか? 害鳥を駆除するための業者にかかる費用は、規模にもよりますが2万円から10万円と言われています。しかも、ハトの場合はくりかえし駆除が必要なこともあるため、思ったよりも高額になってしまうこともあるのです。そうならないためにも、寄り付く前の対策が必要です。
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